キミの隣で笑おう【完結】
「じゃ、俺はチャリでついていこっかな~♪」
「勝手にすれば?」
そう言って歩き出してから5分。
もう疲れたー。と言う美恋の顔を見て、俺はクスクス笑っていた。
そんな俺を見て、美恋が口を開く。
「蒼、何笑ってるの?」
「いや、笑ってねぇよ。てか、そろそろチャリ乗れば?」
そう言いながらも笑っている俺に、美恋は「笑ってんじゃん」とブツブツ言っている。
急に黙り込んだと思ったら、美恋はこう言った。
「そんなに乗ってほしいんだったら乗るけど。乗ってほしい?」
…バカな奴。
乗りたいんなら乗りたいって素直に言えばいいのに。
そう思いながらも俺は言う。
「乗ってほしいでーす」
棒読みだけど。
笑いながらだけど。
チャリで行かないと本当に遅刻しそうだしな…