キミの隣で笑おう【完結】
「え」
今、知那なんて言った?
こ、ここ告ると言いましたか?
え、そんなこと…
「できるわけがないっ」
「いーじゃん、告れば。とりあえず、蒼くんは美恋の気持ちにすら気づいてないんだから知ってもらうことからでしょ」
「な、なんか他にないの…?」
「無いね。ないない。
てことで、修学旅行中にでも告っちゃいなよ!」
ニヤニヤ笑いながらそう言う知那に、えぇ、と言っても聞く耳を持たず。
「あ、あたしそろそろ帰らなきゃ!んじゃ美恋、がんばんなよっ」
そう言って、あたしの前に自分の分のお金を置いて、手を降りながら走って出て行ってしまった。
知那を呼ぶ、あたしの声にも振り返らずに。