キミの隣で笑おう【完結】
蒼side
日曜の夕方、のこのこと自分の家に帰っていく洸の後姿を見ながらイライラが募る。
せっかくの日曜日だって言うのに、一日中イライラしている俺。
その原因は、昨日の夜に遡る。
昨日の夜、美恋達を送った後。
俺は洸に聞きたいことがあって二人でソファーに座っていた。
「…お前から俺によって来るなんて珍しいね?」
余裕そうに笑っている我が兄は、自分が俺に嫌われていることを良くわかっているらしい。
「一つ、聞きたいんだけど」
――聞きたいこと。
それは、さっき美恋との玄関での出来事。
洸が美恋の耳元で囁いた時。
洸が何を言ったか。
それが知りたい。
「美恋にさっき何言ったの」