キミの隣で笑おう【完結】
余裕そうに笑って、洸が出て行く。
洸の手の上で転がされたようで、やるせない。
自分の部屋へ向かっていく洸の背中を見て、俺は唇を噛んだ。
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そして、現在に至る。
今日一日もふざけた兄貴パワー全開だった洸は、ご機嫌でこの家を後にする。
残された俺は、ムカムカが残るだけだ。
それに、昨日のことにまだイラついてる。
だって、ふざけてるだろ?
美恋と付き合うとか、冗談で言っていいことじゃないし、それに――…
美恋はやっぱり、俺の初恋だったから。
今はただの幼なじみだけど、好きだった時代があったから。
やっぱりなんだか、複雑だ――