君への歌を





「 ・・・悪い


 わからない


 これがどうかしたか? 」




友希は悲しそうな


でも、どことなしか


安心したような表情をみせた



「 ・・・ほんとに


 思い出せない・・・? 」



うなずくことしかできなかった



「 これはね


 もともと、広人のものなんだよ 」



「 俺の? 」



まったく見覚えがない


どうしても思い出せない



「 これ、ほんとは


 広人のものなんだから


 返すね


 ずっと持っててごめんね 」




友希はそのネックレスを俺につけた



「 ちょっとまて


 これ、俺のかわかんないけど


 俺のであったとして


 なんでこれを


 おまえが持ってたんだ? 」




「 ・・・それは


 広人が``あの子``のことを


 思いだしてからだよ 」






-----また友希は意味深なコトバを


俺にいった





「 あの子・・・?


 それって、俺の夢の


 あの髪のながい子のことか? 」




「 わたしがいえるのは


 ここまでですっ


 あとは広人しだいだよ 」




俺の質問を強制的にとめられた


たぶん、これ以上きいても


友希は答えてくれないだろう




友希とはなして分かったことは


俺は友希のことも


俺自身のこともぜんぜん知らない





・・・違う、


友希のいうことからしたら




俺は『何か』を


わすれている
 



俺はもういちど


ひまわりがきざまれた


リングをみつめた











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