君への歌を




3月とあって

まだ帰り道は肌寒い




友希は今日あったことを

ひたすらしゃべっているけど



さっきまでの眠気と寒さで

まったく頭にはいってこない




「 ? そういえば さっきの夢・・・ 」

「 ねぇ 聞いてくれてる? 」



全然きいてなかったの?と

少しふくれたけど




気が変わったのか 

興味津々にどうゆう『夢』だったのか

きいてきた




「 ・・・山っぽいとこで

  髪の長いちっさい子が

  歌ってた

  ワケわかんねーゆ・・め・・ 」



最後までいおうとしたところで



友希が後ろで

足を止めていることに気がついた




「 友希? 」



返事がない



「 おい 友希っ 」




近くまで駆け寄ってみて

友希の様子がおかしいのに

気づいた




友希はなにかにおびえるように


小さく震えていた



「 友希!? どうした?!

  なんかあったか? 」




 友希が小さくつぶやいた









「 おもいだしちゃ・・・・・・


  だめ・・・・・・・ 」










< 3 / 16 >

この作品をシェア

pagetop