君への歌を
3月とあって
まだ帰り道は肌寒い
友希は今日あったことを
ひたすらしゃべっているけど
さっきまでの眠気と寒さで
まったく頭にはいってこない
「 ? そういえば さっきの夢・・・ 」
「 ねぇ 聞いてくれてる? 」
全然きいてなかったの?と
少しふくれたけど
気が変わったのか
興味津々にどうゆう『夢』だったのか
きいてきた
「 ・・・山っぽいとこで
髪の長いちっさい子が
歌ってた
ワケわかんねーゆ・・め・・ 」
最後までいおうとしたところで
友希が後ろで
足を止めていることに気がついた
「 友希? 」
返事がない
「 おい 友希っ 」
近くまで駆け寄ってみて
友希の様子がおかしいのに
気づいた
友希はなにかにおびえるように
小さく震えていた
「 友希!? どうした?!
なんかあったか? 」
友希が小さくつぶやいた
「 おもいだしちゃ・・・・・・
だめ・・・・・・・ 」