愛と銃と。
■プロローグ
君の手は
世界中の優しさを
知っているかのようで。
あたしにさえも愛を
与えてくれる、温かい手。
あたしは傷つかないように
銃のように近づく物を
迷いなく撃ち抜いた。
君の手も。
だけど無理だ。
あたしの銃はいつからか、
君のせいで撃つことをやめた。
真っ赤な血に染まるように、
心を真っ赤にさせた君を
見たくないと思ったから。