愛と銃と。


「んだよ。男いたのかよ」


ちっと舌を鳴らして
颯は公園を出ていった。


…。


「はると?」


何だか安心したくて
陽翔の名前を呼んでみた。

すると彼はあたしに
大きな笑顔を見せてくれた。


「ふっ…。顔ぐっしゃぐしゃ」

「な!?」


あたしは恥ずかしくなり
涙を乱暴に拭う。


「ねぇ、何で彼氏だなんて嘘吐いたの?」

「嘘じゃねぇだろ?今日は1日彼氏っつったろ」


あ、有効なのは
お祭りでだけかと思ってた。


「俺、勝手なことしちゃったけど…よかったか?」

「ほんと、勝手すぎる」


いきなり現れて
助けてくれるなんて。

勝手すぎる。
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