愛と銃と。
どっちが子供なんだか。
あたしはしょうがないから
笑って言ってやる。
「わかってるって」
彼がこんなにも心配性なことを
あたしは初めて知った。
「絶対だからな!?」
「はいはい」
「今から寄り道せずに家帰ってじっとしてんだぞ!?」
「大丈夫」
きっと陽翔と付き合った女の子は
こんな風に毎日陽翔に
大切に思われるんだろう。
何だかそれがヤケに
嫌に感じた。
嫌に感じて
落ち着かなかった。
「やっぱり家まで送る。あげはがちゃんと家に帰るか心配だ」
「送る?バカ言わないでよ!!家すぐそこだから。帰れるわよ」
とか言い合いながらも
短い道を2人で歩いた。
陽翔が隣にいるだけで
いつもの景色が違って見えた。
世界が色付いて見えた。
同時に悲しく見えた。