愛と銃と。


「じゃあな」


さっきの意味深な表情をすべて
打ち消すような陽翔の笑顔。

あたしはバイバイの声を
出すことさえも忘れて
ただ彼の背中に手を振った。


『待ってる』


と。

あたしは陽翔を『待ってる』から
『迎えに来て』と。


だって陽翔は言った。

待ってる人がいなけりゃ
迎えに来たって言葉は使えないって。


あたしは陽翔が
その言葉を使えるように
ちゃんと待ってるから。



待ってるからこそ、そろそろ…。

自分の気持ちと
向き合わなければならない。


正直なところ、わからない。

わからないなりに、
持っている感情はある。


今まで逃げてきた
陽翔との明確な関係の決定。

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