愛と銃と。


もうすぐ、花火が上がるよ。

ねえ、陽翔。

どこにいるの?


あたしはひとり、
自室の片隅に置物のように
蹲っている。

電気もつけずに。





7:00。





ヒュルルル…
ドオオオオオオオン。

最初に一発。

大きな大きな光の花が
闇へと迷いなく咲いて散った。


その光が窓から入り
あたしの部屋へと差し込む。


あたしの家からは
これ以上ないくらいいい場所にあり
花火を見るならもってこい。



だけど今は切なく感じる。



だって花火の光が
陽翔の笑顔の輝きに似てるから。


あたしは入り込む光が
不快に感じ、カーテンを閉めた。


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