愛と銃と。


夏休みは終わり、
今日から新学期。

気分はこれまでにないほど怠く
学校になんて行くたくなかった。

嫌でも彼奴と
顔を合わせることになるから。


正直言って、悔しいけど
陽翔から電話がかかってきて
すごく安心してしまった。

事故とかじゃなくてよかった、と。

結局あたしは陽翔の連絡に
一切応えなかったけど。


「いってきます」

「早いわね?気をつけるのよ」


あらしはいつも早いけど
今日はもっと早く家を出た。

陽翔に会いたくないから。



だけどあたしの考えは
見透かされていたようで。


「…」


家を出て、
無言になってしまった。

もっともっと
早く家を出ればよかった。


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