愛と銃と。
教室にいても暇だし
たぶん陽翔も来るだろうし。
あたしは教室を出て
校内を意味もなく散歩
することにした。
黙って教室で座っているより
歩いていたほうが気が紛れる。
とにかく、
何も考えたくなかった。
あたしは気づくと
2階の体育館まで足を運んでいた。
ダン、ダン、ダン…。
ボールをつく音がひとつ
体育館に響いていた。
あらしの足は無意識に動き出す。
あたし体育館の入り口の隅から
その男の子を見つけた。
ただ、見るだけ。
その人の動きはすごく綺麗で。
つい、見惚れてしまった。