愛と銃と。
あたしがいたのは
学校の門の前だった。
朝は2人でいる時間を長くするために
早く登校して門の前で喋って
バイバイした。
放課後はあたしの方が
帰りが遅い時、待っててくれた。
思い出が、ありすぎる。
いつもの癖で早く登校し過ぎた為
幸い人通りは少なく
人に見られてはいなーー…
「…大丈夫?」
あたしは俯かせていた顔をあげる。
そこにいたのは
駅前でぶつかった彼だった。
どうやらこの学校の生徒だったらしい。
あたしは泣いていたことに気づき
乱暴に涙を拭った。
こうして見ると
彼は結構カッコイイことに
今更ながら気づいた。
いじり気のないサラサラな黒髪。
整い過ぎた顔立ち。
あたしより15センチほど高い身長。
こんなのを世間は
イケメンと呼ぶのだろうが
あたしには全くの無関係。