愛と銃と。


昨日、あたしはすぐに
雅に電話した。

泣きじゃくりながらだから
ハッキリとは記憶にないけど。

雅は自分のことのように聞いてくた。

それにいつも遅刻ギリギリなのに
すっごく早く学校に来てくれた。

それだけであたしは嬉しい。


「まったく、あげはは世話かかるんだから」


雅は優しく笑いながら言う。


「ありがと…」


あたしは雅に
その言葉しか出なかった。


「ありがと、雅」


何回言っただろうか…。

ありがとうを。


あたしが言う度に雅は
優しく頷いてくれた。

あたしにはそれが
ものすごい安心感を与えた。


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