愛と銃と。


昨日のことをすべて雅に話した。

そうすると雅が大好きらしい
教室の1番後ろの窓から青空を仰ぎながら言う。


「世界ってね、上手く吊り合うようにできてんだよ」


あたしには意味がわからなかった。


「結局、前向いて見返りを求めずに生きてるヤツには、それ相応のもんがちゃんと返ってくる」


雅の言葉はたまに理解しにくい。

きっとあたし自身が答えを
導くように悟らせているのだろう。


「だから大丈夫。次はいいことあるから」


雅の言葉に根拠はないが
どことなく不思議な力を
持っているようで
鵜呑みにさえしてしまう。


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