愛と銃と。


「いちご牛乳売り切れでさあ~…今、俺テンション落ちてんの」


彼はため息を吐きながら
その場にしゃがみ込んだ。


「…ぷ、ばっかじゃないの?」


あたしは思わず笑ってしまった。

いちご牛乳て…。

ガキかよ。


「お前…いちご牛乳笑う者はいちご牛乳に泣くんだぞ!?」


正真証明の馬鹿だ、こいつ。


「俺には大事な3つのもんがある」


聞いてないのに彼は
唐突にも喋り出す。


「その一、いちご牛乳。その二、夢。その三、護んなきゃいけねぇもん」


なんでこいつの言うことには
不思議な力があるのだろう。

馬鹿な話も真面目な話も
全て聞いていたいと思ってしまう。


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