愛と銃と。
\別離
「あげは!」
彼の愛おしい声が
あたしの名を呼ぶ。
その度あたしは
振り向くことをすっごく
嬉しく感じていた。
ただそれだけのこと。
だからこそ、嬉しかった。
いつも彼はあたしの後ろから
駆けてやってくる。
高校は違うけど近いから
あたしが彼の学校の門の前で
待ってると放課後に駆けつけてくれる。
「今日ちょっと遅いよー」
「悪ぃ悪ぃ」
あたしが少し
膨れっ面を見せると
彼は笑って謝る。
「アイス奢ってやるから」
「んなら、許す」
他愛もない会話をして
あたし達は歩き出した。
手を繋いで。