愛と銃と。
あたしはぼそっと呟いた。
「そ、そんなの、あげないんだから…」
と。
その呟きは
廊下を行き交う生徒達の雑踏に
打ち消された。
「あげは、あたし…」
「どうした?」
雅が5組から帰ってきた。
いつものウキウキした雅とは
違うテンションだ。
「あ、ああ、相坂くんに…メアドきかれちゃった……!!」
「え、マジで!?」
雅は大げさなぐらいに
首をぶんぶん縦に振る。
あたしも無性に嬉しくなった。
雅は可愛いし、
相坂くんも確かにカッコいいし、
本当にお似合いだと思う。
「まあ、まだ好きな訳じゃないけどね」
という雅はとてつもなく
嬉しそうだった。