愛と銃と。


その日、あたしは家に帰り
颯とのものを全て捨てた。


ストラップも、香水も、ネックレスも、
プリクラも、写真も、
中学生の時の手紙も…。


全部全部捨てた。


そしたらなんだか
心の重荷が減った気がした。

引きずるのはやめよう。

もっといい恋して
あたしを手放したことを
後悔させてやるんだ。

そしたらきっと
また友達に戻って
楽しく話したいな。

そしたら今度は
たくさん笑い話したいな。


「う…、うぅ……」


あたしは声を押し殺して泣いた。

泣いたんじゃない。

泣けてきてしまった。


そう思うことが今のあたしの
最大の強がりだった。


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