愛と銃と。


気づくとあたし達は
共に歩を進めていた。


こいつと話していると楽しい。

それは認めることにする。


「そういえばアンタ、名前何て言うの?」

「え、知らない訳!?」


彼は驚いた顔をした。

あたしは正直に首を縦に振る。


「お前知らない人とは喋っちゃいけませんって習わなかった訳?」


彼は馬鹿にしたように問う。


「うるさい!早く言え!」


あたしは思わず
子供のように無期になる。


「神崎陽翔(かんざきはると)」


神崎、陽翔…。

彼の名前を初めて聞いた。

どうしてか無性に呼びたくなった。


きっと、気のせい。


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