愛と銃と。
「なんて呼べばいいの?」
「陽翔でいいよ。俺、名前で呼ばれる方が好きだから。あげは」
「う、うるさいっ!!」
あげはと呼ばれたことに
なぜだかあたしの心臓は跳んだ。
男子なんてみんなあたしを
名前で呼んだりしなかった。
有能と呼んだ。
それは颯と言う彼氏ができてから。
だから颯以外の男に
あげはなんて呼ばれるのは
何だか新鮮にも、ムズ痒くも感じた。
「あの時、悪かったな、って思ったり思ってなかったり…」
駅の前に来てあたしは
唐突に話題を持ちかけた。
「何のこと?」
陽翔はわかっていないらしい。