愛と銃と。
その真っ直ぐな目があたしの心を貫く。
目を、そらせない。
金縛りにあったみたいに。
「高校生になって、あげはを一目見て、好きになった」
驚愕の連続だった。
「だけど彼氏いたから声なんてかけらんねぇし…。幸せそうに笑ってたから俺の入る隙なんてねぇし…。それでも、好きだった」
人々が行き交う。
だけどあたし達の周りだけ
雑踏がないような気がした。
こんなにうるさい雑踏の中にいるのに
陽翔の声がはっきり聞こえる。
「この1週間、あげはと喋れてすっげぇ嬉しかった」
嬉しかった、なんて。
言わないでよ。
どんな顔すればいいの?あたし。
どんな顔してる?あたし。
まだあたしは颯のことが
好き、なんだから。