愛と銃と。
電車を降りて
家の近くまで来ると
颯は寄りたいところがある
と言った。
なんだか、様子がおかしい。
直感的なものだけでだけど
そうやって感じた。
手は繋いでいても
心にどこか距離を感じた。
―
颯が立ち止まったのは
あたしの家と颯の家の
丁度中間辺りにある公園だった。
もう日は暮れて、
誰ひとりそこにはいない。
この公園はあたしと颯にとっての
思い出の場所である。
告白されたのはこの場所で。
仲直りはいつもこの場所で。
中学で学校の帰り道に
この場所に寄って二人で話したりして。
だからこそ、嫌な予感がした。