愛と銃と。
…きっと、陽翔も同じ気持ちだろう。
それならなんだか
少しは耐えられる気がした。
2人で荷物を半分にしている。
そんな気がした。
「陽翔。あたし、止める」
「止めるって、何を…?」
「過去を引きずること」
そう言えたあたしはたぶん
前を向いて言えていただろう。
「でもね」
「…」
「そう言えるのは今隣に陽翔がいるからで…もし独りだったらあたし、現実の重さに押しつぶされてた」
「たぶん俺も…あげはがいなかったらこんな風に立ってねぇよ」
陽翔はそう言うと
あたしの頭を優しく撫でる。
その優しさはあたしの心を
必要以上に落ち着かせた。