愛と銃と。


もの凄く、嫌な予感。


ふと気づくと、
繋がれた手がいつの間にか
離れていた。


颯はあたしに背を向けたまま
何も言わない。


「颯…?」


沈黙を破ったのはあたしだった。


周りの住宅街から伝わる
夜の静寂がヤケに寂しく感じる。


颯、早く…。

早くいつもみたいに笑って…?


「…っ」


颯はあたしの方へ向き直った。

が、あたしに見せた表情は、
なんとも言えなかった。

下唇を噛み締め、
必死で堪えているような表情。

あたしとは目線さえも合わさない。


< 7 / 179 >

この作品をシェア

pagetop