愛と銃と。


それでもあたしは
振り向いてしまった。


「…颯」


目の前には、
変わらない姿で元彼がいた。

ただ変わったのは、2人の心。


「今から少し時間あるか?」

「…うん」


うるさく鳴く蝉の声さえも
どこか遠くへ行ってしまった
ように思えた。

アスファルトは、熱さを増す。


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