秘め事
引越し当日、嫌味をたっぷり込めてでかでかと、「お世話になりました」とお菓子の入った紙袋に書き、寮長の部屋のドアノブにかけて寮を出た。


少しすっきり。


引越し先のマンションまでは大学から歩いて15分くらい。


マンションに着くと、すでに運送会社の人たちが着ていた。



「すみません!!すぐ開けますねｯｯ!!」



次々と部屋に運び込まれる荷物。


荷物は運送会社に頼んだ物だけじゃなく、買ったベッドやテーブルなんかの家具もある。



「写真で見るより広い部屋」



荷物が全て運び込まれてもスペースは十分残ってる。


一休みしてから開封作業をしようと、リビングで缶ジュースを飲んでいると、後ろに気配を感じ振り返った。


そこにはハニーブラウンのサラサラした髪に、二重だけど少し切れ長の目をした、まるで漫画にでてきそうなくらい綺麗な男の子が立っていた。



これが、私たちの最初の出会いだった。






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