秘め事
『聖也と愛莉じゃねぇか』



部屋を出たとたん誰かに声をかけられ、私たちは同時に声のする方へ顔を向けた。



『上川社長。こんなところでお会いするなんて奇遇ですね』

『今日はこいつらに説教兼ねて飯食ってたんだよ』



上川さんの後ろにはLegendのみんながいた。


勿論その中には蓮もいる。


みんなと顔を合わせるのは久しぶりで、何だか変な感じがした。



『愛莉だいぶ酔っ払ってんな。大丈夫かよ?』

「アハハ…意識ははっきりしてるんで大丈夫です」

『酒に強いんだか弱いんだか分かんねぇとこは沙羅にソックリだな』



そうなんだ…お母さんがお酒飲んでるとこ見たことないから分かんないや。



『お前らもう帰んのか?』

『えぇ。愛莉がこんな状態ですし、なにより俺が早く愛莉に触れたいので』

「せ、せ、聖也ッッ!?////」



聖也に急に腕を引かれた私は、聖也に倒れる様に寄っ掛かるとすぐに腰を抱かれた。


逃げられないくらい力強く。


…………聖也?






< 142 / 166 >

この作品をシェア

pagetop