秘め事
*****


お店を出てマンションに着くまでの車の中では会話がなかった。


車を降りてからも会話がないまま、私は一人ソファーに座っている。


聖也はシャワーを浴びているから。


もう今回の事で聖也は確信しただろう。


私の蓮への想いを……。


私たちの関係はもう…潮時かもしれない。



『愛莉、酔いは冷めたかい?』

「う、うん…」

『それならシャワーを浴びてくるといい。スッキリするから』

「…うん」



聖也に声を掛けられて驚いてしまった。


話し方も表情もいつも通りの聖也だった。


それが逆に違和感を感じさせた。






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