秘め事
『返事は?』



さっきまでマイク越しにしていた蓮の声が、すぐ傍で聞こえた。


顔を上げるとすぐ目の前には綺麗な蓮の顔があった。



「どうして…ここにいるって……分かったの?」

『どこにいても分かる。好きな女の居場所くらい』

「何よッッそれ……」



蓮の笑顔とは対照的に相変わらず私の顔は涙でぐしゃくしゃ。


久しぶりに会ったのに最悪…それもこんな場面で……。



『泣きすぎ』

「う、うるさいッッ」



蓮から顔を背けると、蓮の手が頬に触れ顔を蓮の方へ向けられてしまった。


蓮と目が合うと、目線を外せなくなってしまった。



『その涙…嬉し泣きだと思っていいんだよな?』

「ッッ会いたかった…蓮のッッ傍にい、させて…大好きッッ」



蓮に抱きしめられ、私もしがみつく様に抱きしめ返した。


周りの人や声も気にせずに。






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