秘め事
蓮がいなくなって静かになった部屋。


今までは静かな部屋で1人でいることが当たり前だった。


蓮と一緒に暮らすようになって、1人の時間を寂しいと思ってしまう。


一度1人でいることの寂しさを知ってしまったら、元に戻ることって難しい。


料理を作って食べてくれる人がいる。


私の中でそれは義務であり、歪んだ居場所。


その歪んだ居場所のお陰で、私は夜の街を彷徨うことも、セフレと過ごす時間も全くといっていいほどなくなった。


連絡を取っているのは聖也だけ。



「掃除しよ」



掃除も手馴れたもんで、最初に比べてかなり手際よく早くなった。


料理も柄にもなく料理教室に通ってる。


勿論蓮には秘密。


馬鹿にされそうだから。





< 37 / 166 >

この作品をシェア

pagetop