秘め事
渚の家に来ると、いつも2人でゴロゴロすごしてしまう。


私がテレビが嫌いな事を知っているから、テレビはつけないでいてくれる。


嫌いなのはテレビだけじゃない。


週刊誌、新聞の芸能欄…とにかく家族の情報を聞いたり、見たりしたくない。




「愛莉、ケータイ鳴ってるよ」

「本当だ」



ケータイを開くと1通のメール。


メールには"今日18時に来てくれる?"と書いてあった。


私は"大丈夫"とだけ返し、ケータイを閉じた。



「男?」

「まぁ、そんなとこ」



渚はいつも深くは聞いてこない。


だから私もいつも深く聞かない。


私たちはお互いを空気のように思っているのかもしれない。


生きる為に必要で大切だけど、自己主張しない存在。






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