秘め事
聖也は妖艶に微笑み私の顎をそっと持ち上げ、唇を指でなぞる。


ワインのせいで、聖也の指はいつもより熱を帯びているようだった。



『かも、ってことは、可能性はあるってことだろ?』

「聖也がポジティブな人だなんて知らなかった」

『ポジティブというより、ただの自信家かもしれない。それに…』

「それに?ッッ!?」



急に抱きかかえられ、ベッドの上に下ろされる。


私を見下ろす聖也の顔はとても楽しそうな顔をしていた。



『もし、愛莉の中に俺への愛が芽生えなければ、離れられない体にするまでだよ』

「本当、たいした自信家ね。私にとっても聖也にとっても賭け、ってこと?」

『そういうことになるね』

「んッッぁッッッんぁッッッ」



もう言葉はいらないと言わんばかりに唇を重ねられる。


色んな角度から、いつもよりも時間をかけゆっくりと。




この日私たちは恋人という名目になり初めて体を重ねた。


なんだか不思議な気分だった。


でもそれは幸せとは違うような気がした。






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