秘め事
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仕事の合間に何度も愛莉に電話をしたけど、ずっとケータイの電源は切れていた。


昼間の愛莉の様子、普通じゃなかった。


でも何が原因か分からなくて、まともに声もかけてやれなかった。


泣いてる顔を見たら、抱きしめたくなった。


こんなこと言ったら愛莉は怒るかもしんねぇけど、そそられたんだ…愛莉の泣き顔に……。




『ただいまぁ』



返事返ってくるわけねぇか。


もう夜中2時過ぎてるもんな。


愛莉が心配で、そっと愛莉の部屋のドアを開け、中を覗いた。


でも、そこに愛莉の姿はなかった。



『どこ行っちまったんだよ…』





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