秘め事

「この歌うたってんの、私なんだよね」

「へ!?幻想の歌姫!?」

「私、Eve（ｲﾌﾞ）として歌うたってんの。あとさ、藤堂　誠（ﾄｳﾄﾞｳ　ﾏｺﾄ）って父親なんだよね…」

「はぃ!?」



私の言葉が理解できないのか、一生懸命考える渚。


いきなりこんなこと言われても頭可笑しくなったんじゃないかって思うよね。



「驚いて一瞬フリーズしちゃった（笑）」

「信じてくれんの?」

「信じるよ。愛莉私に嘘言ったことないじゃん。でも良かったの話ちゃって。秘密なんじゃないの?」

「秘密。でも、渚にならいいかなって思って」

「私がマスコミに売っちゃうかもよぉぉぉ!?（笑）」

「その時は人間不信になるだけだからいいや」

「ﾌﾞｯｯ!やっぱ愛莉って変～!!誰にも言わないから大丈夫だよ」



渚にずっとだまっていたことを話せて少し心が軽くなったような気がする。


ずっと溜めていたものを誰かに話すことで、こんなに心が軽くなるなんて知らなかった。