秘め事
リビングに焼きそばを持っていくと、みんな眠そうな顔をしてワイドショーを見ていた。


芸能人の熱愛報道だったり、映画の番宣だったりが映ってるけど、さっぱり分かんない。



「早く食べなきゃ冷えちゃうよ」

『…あぁ』



テーブルではさすがにこの人数は無理だから、みんなでテレビ前のテーブルで食べている。


龍二君と樹君はばっちり目が覚めてるみたいで、かなりテレビに夢中だ。


小さな子供みたい。



『何笑ってんの?』

「あの2人、子供みたいで可愛いなと思って」

『あいつらテレビ大好きなんだよ。んで、2人とも意外とミーハー』

「そうなの?龍二君は意外だね」



この部屋で蓮に抱きしめられてからは至って普通で、なかったことの様に過ごしてる。


今でもあの時の感覚は覚えてるけど、早く忘れようと頑張ってる。


体が蓮を求めてしまいそうで怖いから。


あの日以来、聖也とは会っていない。


気まずいとか喧嘩とかじゃなくて、ただ単に聖也が仕事で海外に行っているから。





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