秘め事
「お疲れ様でしたぁ」



長かったレコーディングもやっと終わり、私はスタジオを出た。


こんなに疲れたっていうか、手こずったレコーディング初めて。


もっとメンタル面鍛えなきゃダメだな…。


タクシーをつかまえて、私は聖也のマンションに向かった。


玄関には聖也の靴が綺麗に揃えて置かれていた。



「あれ?いない」



靴はあったけど、リビングには聖也の姿がなかった。


もうお昼だけど…まさかまだ寝てる?


寝室に行くと、聖也はスヤスヤと眠っていた。


目を瞑っていると長いまつ毛が余計長く見える。



「本当に綺麗な顔。お人形みたい…」



私はベッドに腰掛け、聖也の顔に手を伸ばした。





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