秘め事
「美紀恵さんは体調とかくずしたりしてない?」

「えぇ、まだまだ元気ですよ。愛莉さんこそちゃんとお食事を取ってますか?」

「うん。最近はちゃんと作るようになったの。料理教室にも通ってる」

「まぁ!そうなんですね。それはいいことですね」

「今度美紀恵さんにも作ってあげるね」

「楽しみです」



美紀恵さんは私の話をニコニコしながら聞いてくれる。


血は繋がっていないけど、この家に住んでいる人の中で一番なんでも話せる存在。


学校行事なんかにも、いつも美紀恵さんが参加してくれていた。


図工の時間に描いた絵や、習字の時間に書いた字をいつも誉めてくれたのも美紀恵さん。


本当の母より、母の様に思っているかもしれない。



「あら、誰かお着きになったようですね」



外で車の音がして、美紀恵さんは小走りで玄関に向かった。


私はそんな様子を目で追っただけで、リビングでのんびりとジャスミンティーをすすっている。





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