秘め事
“『もしもし』”

「今お家?」

“『いや、仕事で大阪にきていて、明日の夕方戻る予定だよ』”

「そうなんだ。ごめんね仕事中に電話しちゃって」

“『何かあったの?』”

「何もないよ!ただ電話してみただけ。また連絡するね」



何か喋りかけていたけど、私は聖也の言葉を聞かずに電話を切った。


ここからだと聖也のマンションの方が近かったんだけどな。


明日の夕方まで聖也を待つより、蓮の帰りを待ってた方が早そう。


帰りつくのにどのくらいかかるかな…考えただけで嫌になる。


私は自分のマンションに帰るため、ケータイの地図を頼りに歩き始めた。





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