追いかけっこ(仮)


「どういたしまして。」

「……。」


俺が少し微笑むと、
怪盗Vの頬が少し赤くなった気がした。

少し肌寒い風が俺たちの間に吹く。


「……気持ちい。」


怪盗Vはそう呟いて、
気持ちよさそうに目を閉じていた。


「秋風か。その服、寒くねぇの?」

「マントがあるから大丈夫。」

「ふぅん。」


怪盗Vが、フッと振り向いた。

視線の先は俺の手にある瓜二つネックレス。


ニヤッと笑った怪盗Vの目の色が、いきいきと変わった。


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