追いかけっこ(仮)
「いたぞ!!怪盗Vだ!!!!」
「あ、」
しまった……。
俺は思わず舌打ちをした。
「え、仲間に舌打ち……、」
「うっさい。後ろの警官振り切れよ。」
「いわれなくても。」
怪盗Vの言葉に俺はニヤッと笑った。
「公務執行妨害罪。」
「私は目の前にいる公務員に指示されてやっただけですー。
っていうか、暴行・脅迫なんてしてないし。」
「いや、中年おやじに激しい運動をさせるのは、立派な仕事妨害だ。
大体、俺はまだ公務員じゃありませんー。」
「屁理屈。」
「お前がな。」
俺たちは同時にプッと笑った。