追いかけっこ(仮)


「いたぞ!!怪盗Vだ!!!!」

「あ、」


しまった……。

俺は思わず舌打ちをした。


「え、仲間に舌打ち……、」

「うっさい。後ろの警官振り切れよ。」

「いわれなくても。」


怪盗Vの言葉に俺はニヤッと笑った。


「公務執行妨害罪。」

「私は目の前にいる公務員に指示されてやっただけですー。
っていうか、暴行・脅迫なんてしてないし。」

「いや、中年おやじに激しい運動をさせるのは、立派な仕事妨害だ。
大体、俺はまだ公務員じゃありませんー。」

「屁理屈。」

「お前がな。」


俺たちは同時にプッと笑った。

< 105 / 195 >

この作品をシェア

pagetop