追いかけっこ(仮)
……けど、
「おっと、それは駄目だな。」
「えー。」
「当たり前だろ。」
「このままナチュラルに帰れると思ったのに。」
「駄目に決まってるだろ。」
「えー。」
怪盗Vは膨れっ面で、
不服そうに声をあげた。
「まぁ、いいや。
隙をついて逃げればいい話だし。」
「おい。」
「ねーねー、
何で裏警察の手伝いなんかしようと思ったの?」
「……お前の戦略には乗らねぇよ。」
「あ、ばれてた。」
俺は、渋々口を開いた。
「金、だな。」
「へ?」
「時給が、頗るいいから。」
俺はニヤッと笑った。
「なにそれ。時給制なんだ?」
「まぁな。
……お前は何で怪盗Vになろうとしたんだ?」