追いかけっこ(仮)
「ふぁ……ぁ。」
「眠そうだねーっ。」
「あ、桜。」
「おはよ♪」
私がホットコーヒーを片手に、
欠伸をしながら教室への廊下を歩いていると、
桜が満面の笑みを浮かべてやって来た。
「桜は元気だね……。
……なんかあった?」
私がそう聞くと、桜の瞳が輝いた。
「なんと!
昨日、実物を見たのですっ!!」
と、興奮したようにピョンピョン跳び跳ねる桜。
私は首を傾げながらコーヒーを一口含んだ。
「……実物?」
「怪盗Vッ!!!!」