追いかけっこ(仮)


「……じゃあ、話し相手になってあげてもいいわよっ。」


私は屋上と階段の踊り場のところに腰かけた。


「上からかよ。」


伊次龍樹ははぁー。と息を吐いて、
呆れた表情浮かべて私の隣に座る。


ドキッ。

不意に近づいた距離に、
心臓が跳ねた。


「……つか、齋藤、昨日寝不足?」

「あー、うん。ちょっと……。」


私は少し気を引き締める。


「俺も、眠いんだよね。」

「へぇー。」


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