追いかけっこ(仮)
『……』
気まずい沈黙が流れる。
私はチラッと隣に座っている伊次龍樹を見た。
「……。」
伊次龍樹は何かを考えるような表情をしていた。
「……悩み?」
「は??」
伊次龍樹が私を見る。
「悩み事?
……言ったでしょ、話し相手になってあげる。って。」
私は平然とそう言った。
「……。」
「ま、別に無理に聞こうとは思わないけど。」
私はふぅっ。と息を吐いて、
教室に戻ろうと立ち上がった。