追いかけっこ(仮)
“過去”
私は再び伊次龍樹の隣に腰かけた。
「……で、どんな話?」
「昨日、キスされたって言っただろ?」
「聞いた。」
私は一瞬ドキッとした。
私の話か……。
「そいつとまた会ったんだ。」
「へぇ~。」
……知ってるけど。
「で、どうしたの?聞いたの?」
「聞いた。」
「何だって?」
「わかんねぇって。」
「なにそれ。」
これは、自分にたいしての言葉。
「それ俺の台詞だっつの。」
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“過去”