追いかけっこ(仮)


「彼女はどんどん体が弱くなって、学校にも行かなかった。
一方で私は学校へ通い始め、学校の友達もできた。
私は自然と彼女のお見舞いに行かなくなっていったの。
ある日、久しぶりに、お見舞い、行ったら……、」


無意識に体が震え始める。


「齋藤、言いたくなかったら……、」

「聞いて、ほしいの。」


私は真っ直ぐ伊次龍樹を見た。


「ッ、」


伊次龍樹は少し目を見開いた。

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