追いかけっこ(仮)
風音の家に何しに行くつもり?
意図が読めない。
もしかして、今回の追いかけっこの場所?
そんなわけない。
だって、風音が黒幕だもの。
裏警察が嗅ぎ付けた?
一見なんの繋がりもない風音を?
でも、
自らの家を選択するなんて、
普通はあり得ない……。
……そう、“普通”は。
つまり、“異常”な風音なら十分あり得る。
そのとき、
♪~♪~♪
私の携帯が鳴った。
“着信 風音”
私の心が一瞬で凍てついた。
「齋藤……?」
不思議そうに私を見つめる伊次龍樹を無視して、
私は携帯を耳に当てた。