追いかけっこ(仮)
「もしもし。」
“華恋、今日は深夜1時、
鴿芭邸にて“品”を手に入れて来なさい。”
「……。」
“私ね、華恋が怪盗Vとして実際に動いている姿を見たいの。”
「お言葉ですが……、」
“華恋。”
風音の声音が変わる。
「……ッ。」
“これはお願いじゃなくて、命令よ。”
「………仰せのままに。」
“ふふっ、イイコ。じゃあね。”
私は耳から携帯を外した。
「寝る前と同じ顔。」
「え?」
私は首を傾げた。
「真っ青ってこと。」
「ッ!!」
私は咄嗟に伊次龍樹から顔を反らした。